当院のインプラント治療
について
Implant teratment
小田急多摩線「黒川駅」より徒歩1分、「フォレストモール川崎黒川」内にある黒川@歯科(黒川アット歯科)の院長 荒川英之は、骨造成などの難症例を含め、インプラント治療が必要とされる患者さまのさまざまな症例に携わってまいりました。この臨床経験により技術力を培ってきたため、インプラント治療を得意としています。
ここでは、院長より黒川@歯科(黒川アット歯科)におけるインプラント治療についてご説明します。
インプラントの症例
まずは症例をご紹介させていただきます。
この写真を見て、どこにインプラントが入っているかお分かりになりますでしょうか?
この症例は非常にきれいなインプラントの症例です。見た目が美しいだけではなく、機能的・生物学的に適切な位置に配置されています。
長期的に安定して使用できるよう、考慮して作製しました。
こちらにインプラントが入っています。
30代の女性の患者さまで、右下の第一大臼歯の垂直歯根破折を主訴に来院されました。
「前後の歯を削りたくない、きれいな歯を入れてほしい」とインプラントでの治療を希望されていましたので、インプラント+ジルコニアクラウンの上部構造(人工歯)での治療を行ないました。
患者さまの年齢・性別 | 30歳・女性 |
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治療内容の詳細 | 歯槽堤温存術+インプラント |
治療期間・治療回数 | 3ヵ月・6回 |
費用 | 30〜35万円+消費税 |
治療におけるリスク | インプラント治療は、糖尿病・骨粗鬆症など全身疾患をおもちの方や、骨の発育途中にある未成年の方など、治療をどうしても受けていただけないことがあります。また、健康な方でも約1%の確率で、インプラントと顎骨とがくっつかないことがあります。その場合には、方法を変えて再度入れ直すことがあります。 |
治療における副作用 | 治療後に痛みや腫れをともなうことがあります。程度には個人差がありますが、1週間程度で収まることがほとんどです。 |
[フラップレス治療に対応]
局所麻酔
治療の際に行なう麻酔についてですが、当院では表面麻酔として麻酔ゼリー+局所麻酔テープ(ペンレステープ)を使い、できる限り痛みに配慮して行なっています。
このペンレステープは、歯肉に貼って数分待っていただくことで麻酔成分が浸透します。医科でも使用されるもので、とても効果が高いものです。
麻酔がしっかり効いているのを確認してから追加の麻酔を行なっていきますが、そのときにも電動の麻酔注射器を使います。この機器は、手動とは異なり電動でコントロールしながら一定のスピードで麻酔液を注入できるものです。
これらを併用することで、大幅に痛みを抑えた麻酔を行なえるようになります。
麻酔が苦手な方はとても多くいらっしゃいますので、できる限りの対応をさせていただいています。
麻酔が効いていれば、処置中の痛みはほぼありませんので安心です。
インプラントの専門的なアプローチ
次に、インプラント治療におけるさまざまな専門的なアプローチについてご説明します。
不足した骨を増やすことで美しく長持ちするインプラントへ骨量確保のための処置
抜歯直後に、抜歯後の骨吸収を抑え、残された骨を保存して骨量を確保する「ソケットプリザベーション(歯槽堤温存術)」、GBR(骨誘導再生法)を行ないました。
抜歯後に骨補填材などで歯槽骨(歯を支える骨)の温存を行なわないと骨吸収が起こり、骨量の減少、歯肉の退縮を招いてお口の健康を守れなくなりますので、これらの処置を行なわせていただきました。
インプラント治療の予定がある方には、基本的にはおすすめしています。
インプラント体とアバットメントの連結
インプラント体はボーンレベル(骨内固定のためチタン部が外から全く見えません)で審美性に優れ、埋入深度を調整できるインターナルテーパードジョイントタイプ(現在のインプラント体の主流な連結構造)のものを選択しました。
内部のアバットメント(土台)は、接合部にテーパー(傾斜)が付与され強固な固定を得られるコニカルアバットメントであり、内部スクリュー(連結用ネジ)が緩みにくくなっています。
インプラント体とアバットメントの連結には、新しい研究で高い評価を得ている「プラットフォームスイッチング」というテクニックを採用しています。
プラットフォームスイッチング
インプラント体とアバットメントの接合部付近の骨吸収を最小限に抑えるため、インプラント体の直径よりも小さいサイズのアバットメントを使用するインプラント体の形状をいいます。
接合部にくびれが生じることで噛み合わせなどによる振動が吸収され、歯肉の厚みを確保できることで血流量が増加して粘膜の抵抗性が向上するため、インプラント周囲炎の予防につながります。
スクリュー固定性インプラント
インプラント体とアバットメントがネジで固定されており、このアバットメントに上部構造をネジで固定する方法です。必要なときに取り外せる、メンテナンス性を考慮した設計のインプラントです。
患者さまはご自身で取り外すことができず、歯科医師が専用器具を使って取り外します。
ここで、治療完了までの流れをご説明します。
上部構造はジルコニアセラミックで作製しています。
スクリュー固定性インプラント特有のアクセスホール(ネジ穴)が見えなくなっています。
上部構造を外す必要がある場合、アクセスホールはこちらからネジを逆回転させることで簡単に外せますので、メンテナンス性に非常に優れています。
現在のインプラント治療では、このアクセスホールのあるスクリュー固定式を使うことが世界的にゴールドスタンダードとなっています。
アクセスホールには、「ビューティフル ユニシェード」(ブロッカー/フロー)という審美性に優れたコンポジットレジンを併用して充填しています。
ビューティフル ユニシェード ブロッカー
ビューティフィル ユニシェード ブロッカーを充填したあと、ビューティフィル ユニシェード フローを積層充填することで、背景色が遮蔽され、色調適合性がさらに向上します。
ビューティフィル ユニシェード フロー
光を透過させる性質、さまざまな角度へと拡散させる性質を合わせもつカメレオン効果があるため、周辺歯質から反射光を取り込み、その色調と同化します。
アクセスホールには、上記の審美性に優れたコンポジットレジンを充填しています。
インプラントの埋入シミュレーション、治療計画、設計レポート
インプラントの埋入シミュレーション
インプラント治療の成功は治療計画とシミュレーションによって左右されるため、それらはとても大切な工程です。
インプラント体を審美的・力学的・機能的に考慮した位置に埋め込むために、オーダーメードで作製しました。
術前のCT撮影と歯の模型作製を行ない、その2つをコンピューター上でマッチングさせることで「サージカルガイド」を作製していきます。
サージカルガイドを使うことで、適切なポジションにインプラント体を埋め込めるようになります。
治療計画、設計レポート
インプラントの直径と長さ、使用するインプラントの種類を決定します。
シミュレーションを行なったデータ上で、同時に埋入深度や角度も決定します。
CTのデータを専用の解析ソフトで分析することで、骨量や骨質を詳細に把握できます。
こちらもインプラントを長期的に機能、維持させるうえで非常に需要な要素になります。
シミュレーションとガイドは専門の歯科技工士と連携し、オーダーを提出して微調整を行ないます。
技工士からの設計レポートを確認し、より的確な位置に修正し、適切なポジションを決定します。
これらの工程を経ることで、より安全かつ確実なインプラント治療を行なえます。
ガイドのCGモデルについて、綿密に計画・設計されていますので、予定どおりの位置にインプラントを埋め込めます。
インプラント治療の確実性をさらに向上させるため、治療前に、完成したガイドを口腔内に装着し、予定どおりの位置にインプラントが正確に入るかどうかを実際に確認するための「CTチェッカー」というパーツをつけた状態で、CTを撮影します。
この工程を加えることで、実際に患者さまの口腔内でインプラントの位置や角度を確認できますので、十分に安全を担保したうえで処置を行なえます。
精密に設計していますので滅多にありませんが、万が一この工程でエラーが発生した場合は、安全が最優先ですので、お手数ですがその日はCTの再撮影、口腔内の型取り、ガイドを再作製しエラーを修正させていただきます。
こちらがインプラントを埋め込んだ直後のレントゲンとCT画像になります。
サージカルガイドで予定されていた位置に、1mmのずれもなく配置されています。
このように予定どおりの位置にインプラント体を埋め込めることが、サージカルガイドを用いたインプラント治療の真価と言えるのではないでしょうか。
インプラントと骨との結合
インプラントの本体を埋め込んだあと、骨と結合する「オッセオインテグレーション」を得るまで1.5~3ヵ月ほど待機していただきます。
上顎:2~3ヵ月
下顎:1.5~3ヵ月
この待機期間を短くしたいとおっしゃる方のお気持ちは、非常によく理解できます。
しかし、骨と結合させるこの期間は非常に大切です。インプラントをより安全に使い長持ちさせるために必要な時間ですので、ご理解いただけますと幸いです。
インプラント安定度指数の測定
インプラントを埋め込んで待機期間を経たあと、ジルコニアの上部構造を作製していきます。
インプラントは待機期間中に骨と結合していきます。
この骨結合の強度は、専用機器を使い、インプラント体に取り付けた専用パーツを磁気パルスにより振動させ、そこから検出される共振周波数を測定することで把握できます。
測定値によっては、早期に上部構造を装着できますが、やや低い場合には、さらに待機期間を設けて骨結合の強度を高めることで、より安全に上部構造を作製できます。
インプラント安定度指数の測定は非常に大切だと思っているのですが、使っている医院は少ないように思います。
現在主流のインプラントは非常に良くできており、骨結合が速いですし、数値を測らなくても経験によって治療を進行できますが、数値などのデータにより骨結合を確認することは重要です。
時期を見誤り、インプラントが安定していない状態で上部構造を装着して咬合力(大臼歯であれば最大100kg)を加えると、インプラントロスト(インプラントの脱落)につながることもあります。
一つ工程を加えるだけで、そのようなケースを回避できます。検査自体は非常に簡単です。
自分がもしインプラント治療を受けるのであれば、このような精密検査は必ず受けたいと思いますので、個人的には必須だと考えます。
上部構造「ジルコニアクラウン」
ジルコニアクラウンは、先進的な技術によって開発された「ジルコニア」を使った被せ物です。
セラミック材料(陶材)の一種であり、「人工ダイアモンド」として宝飾品にも使われています。
非常に強度に優れ、割れたり欠けたりするリスクや、長期的に見た経年劣化がほとんどありません。また、滑らかで審美性にも優れているため、精度の高い仕上がりが期待できます。
インプラントの上部構造としては、これ以上ないほど適していると言えるでしょう。
仕上がったジルコニアクラウンの上部構造をセットし、インプラント治療は完了です。
治療後のケア
インプラント治療後は、3~6ヵ月に1回、定期的なメンテナンスを受診いただくことを推奨しています。
インプラントも含めた全体的な検診と、クリーニングを行ないます。
ご自身でのセルフケアは、ほかの歯と同じように丁寧に歯を磨いて、フロスなどを使っていただければ大丈夫です。
インプラント治療のご紹介をさせていただきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
インプラント治療に関する疑問や不安、ご質問などがありましたら、患者さまにご理解いただけるよう丁寧にご説明させていただきますので、インプラント治療前・治療途中・治療後、メンテナンスの際など、いつでも遠慮せずにご相談ください。
黒川@歯科(黒川アット歯科)の院長は、インプラントの専門的な医療機関で、非常に熟練した技術と多様な診療経験をもつ指導医の元、インプラント治療に関するテクニックを身につけ、実績を重ねてまいりました。
また、審美性に優れ、長期的な維持が可能なインプラント治療のご提供を常に心がけています。
安全に配慮し、安心して治療に臨んでいただけるよう努力してまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
・機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・外科手術が必要となります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
・歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨造成治療が適さないことがあります。
・口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
・日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
・サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
・体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行ないます。
・骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・サージカルテンプレート(手術用テンプレート)を作製することで、インプラントの埋入位置・方向・角度・深さの精度と正確性を向上させられます。
・低侵襲での治療が可能ですが、術後に腫れや痛みが現れることがあります。
・コンピューターを駆使してデータ処理と画像の再構成を行ない、断層写真を得る機器となります。
・治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
・人体に影響しない程度(デジタルレントゲン撮影装置の1/10以下)の、ごくわずかな被ばくがあります。
・ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。
・インプラント体の安定性を測定するための診断機器です。インプラント体、またはアバットメントに装着する計測器具を使用して、非接触でSQ値(インプラント安定指数)を測定できます。
・この機器を使用して行なうインプラント治療は、自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・ビューティフル ユニシェードは薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器です。口腔内での歯の窩洞・欠損の成形修復(根管内への適用を除く)または人工歯冠の補修に用います。各構成品を組み合わせることで、成形修復または補修の利便性を向上させることができます。
・審美治療としてセラミック治療を行なう場合、自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・事前に根管治療(神経の処置)やコア(土台)の処置が必要となることがあります。
・治療では歯を削ることがあります。また、知覚過敏を発症することがあります。
・抜髄(神経の処置)や抜歯が必要になることがあります。
・抜歯や外科処置をともなう場合、出血や腫脹(しゅちょう)を生じることがあります。
・治療で歯肉を移植する場合、二次的な出血・疼痛・腫脹(しゅちょう)が見られることがあります。
・治療後、自発痛、咬合痛、冷温水痛を生じることがあります。
・歯ぎしり・食いしばりなどの癖や噛み合わせによっては、補綴物が破損することがあります。
・セラミック製の補綴物は、金属製の補綴物よりも歯を削る量が多くなることがあります。
・噛み合わせ・歯ぎしりの強い方は、セラミックの破損を防止するため、マウスピースをおすすめすることがあります。